美食の世界では、通称「食後の4C」というものあります。コーヒー(Coffee)、チョコレート(Chocolate)、コニャック(Cognac)、シガー(Cigar)など、フレンチ・レストランの食後に欠かせない4つのアイテムの頭文字(イニシャル)をとって、そのように呼ばれます。4Cといえば、ダイヤモンドの品質を評価する国際基準の、色(カラー Color)、透明度(クラリティ Clarity)、重さ(カラット Carat)、研磨(カット Cut)の頭文字(イニシャル)もCですね。ちなみに、手元にある『ジー二アス大英和辞典』(大修館書店)を開いたら、頭文字(イニシャル)Cではじまる言葉は、Sの次に多くて227ページも。そもそも、Cという文字は描きやすく造形的なバランスが美しい。それがCではじまる言葉を生み出す一因になっているのかもしれません。そもそも創造(creation) の頭文字(イニシャル)もCですね。ノルウェーを代表するリクライニングチェアー「フィヨルド」には、ご覧のように頭文字(イニシャル)Cから生まれた代表的なシリーズがあります。えっ、フィヨルドはアルファベットでFjordsですよって?いえ、デザインの話です。このリクライニングチェアーは、頭文字(イニシャル)Cの造形をデザインの基本設計にしています。Cのカーブを利用して、クッションにしているのが分かると思います。しかし、このコンセプトを製品にするのは至難の技。「フィヨルド」は、耐久性にも優れたブナ材(ビーチウッド)を何層にも重ねて、さらにCカーブに曲げていきます。これは、木の含水率を最終製品の状態で10〜12%に調整するなど、緻密なコントロールが要求される高度な技術です。“宙に浮いたような心地よさ”は、まさにCから生み出されたものなのです。そういえば、サザンオールスターズに「C調気分で〜」というフレーズの入った曲がありましたよね?あのC調って、どんな意味があったのだろう? |
(後方のソファ)
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