「スタイル・ノルウェー」
日本でスタイルノルウェー・プロジェクトが誕生し、発展していく過程に立ち会うことができ、大変誇らしく、光栄に思います。スタイルノルウェーのコンセプトは、ノルウェーはいったいどのようにしたら、現代人のニーズに対応できるのか、受け継がれてきた豊かな伝統や経験からどのように対応策を導き出すことができるのかなど、現代のノルウェーが探るべきことを様々な角度から表現しています。
かつて私は、最も著名なノルウェーブランドのひとつであり、日本でも良く知られている“ヘリーハンセン”に経営陣として関わったことがあります。当時よく使った言い回しで、私流の解釈ではノルウェー・スタイルを的確に表している言葉があります。
「ファンクション(=機能)がファッションをつくる!」
ノルウェーの厳しい気候、そしてヨーロッパの端に位置するという事実が、私たちノルウェーのライフスタイルを形作り、私たちが作ったり使ったりする品々は、品質が非常に高くなければ耐えられなかったのです。またスカンジナビアでは伝統的に、見た目のディテールではなく、必要な機能のディテールにこだわります。
現代のノルウェー人デザイナーは、こういった伝統をグローバルなトレンドとうまく融合させています。そこから生まれる「モダンノルウェーの製品」には、誠実さと必然性が見え隠れしています。
残念なことに、ノルウェーを「ヨーロッパの最大の秘密」と揶揄する向きもあります。確かに私たちノルウェー人は、間違いのない誠実な製品を作ることに夢中になりすぎて、作った製品の販売やブランディングのことをあまり考えていませんでした。
ですから、スタイルノルウェーは大変新鮮なアプローチなのです。ノルウェーのブランドが力を合わせ、ライフスタイルと人々のニーズを満たす創造的な発想を世界に発信していく、そんなインスピレーションを与えてくれるアプローチなのです。
オスカー・キッぺルベルグ
スペシャルアドバイザー、イノベーション・ノルウェー
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