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この日、オスロ郊外に住むエイナル・エヴェンセンさん(34歳)は、家族を連れて郊外の山麓にピクニックにやってきました。エイナルさんは銀行に勤めるビジネスマン。奥さんのブリーダさんと二人のお嬢さん、アンナちゃん(4歳)とエリノールちゃん(2歳)の四人家族です。オスロでも、ごく一般的なご家庭です。平日はお仕事や子育てで慌ただしい。なので、週末は海や山へピクニックに出かけることが多いそう。「ピクニックといっても、特別なことをするわけではありません」とエイナルさん。この日の午前中も、小さなバスケットにソーセージとパンと調味料だけを詰め込んで、みんな手慣れた感じでクルマに乗り込みます。ノルウェーは、あちこちが大自然。一時間もドライブすると、ご覧のような森に出会えます。まだ霜が残る晩秋の枯れ草を、サクサク踏みしめる音を楽しみながら、みんなで森の散策を愉しみます。今日は、ランチがメインイベント。枯れ木を集めて焚火をおこし、木の枝にソーセージをさして炙れば、即席のBBQの始まり。焼き上がったソーセージをパンに詰めれば、森のホットドックも出来上ります。「やっぱり外で食べるご飯はおいしい」と、家族も大満足です。なにも特筆すべきことなどなく、ごくあたりまえの風景のようでもありながら、なにかが輝いている。それはなんでしょう。もともと、ノルウェーには「フリルフスリフ (Friluftsliv)」というスカンジナビアの伝統的な考え方があります。直訳すると「ありのままの自然を自由に享受しながら暮らす」という感じでしょうか。自然の中に入り、自然と“共存”し“調和”を感じる生活スタイルのことだそうです。ひとつの自然哲学ですね。近年では野外・環境教育と強く結びついて使われる言葉です。とある調査では、ノルウェー人の79%がフリルフスリフを実行している、というデータもあるほど。といっても、「ベリー摘みも本格的な登山も、自然の中でカラダを使うのだから、どちらもフリルフスリフだよ」というのがエイナルさんをはじめ、多くのノルウェー人の考えのようです。生活スタイルが大自然から生まれているのでしょうね。自然から生まれるといえば、ヘリーハンセンもノルウェー生まれのアウトドア・ブランドです。創業は1877年。その高機能な防水ウェアは、オーシャンレースに参加するセイラーをはじめ、スノーフィールドで滑降するスキーヤーやスノーボーダー、山岳ガイドや多くの登山家たちに、なくてはならない装備として親しまれています。最近は、家族が身近な自然と親しむためのウェアも豊富に揃えているのだとか。海や山を知り尽くした、ノルウェーのブランドらしいパフォーマンス。ある意味で「フリルフスリフ (Friluftsliv)」的なブランドともいえるのでしょうね。 |
●ダウンジャケット
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