StyleNorwayWebMagazine 【スタイルノルウェー】

 

[ストレスレストーク]

各界で活躍する人を招いて、ミスター・スタイルノルウェーの中村孝則氏が
ストレスにどう向き合っているかを語りあう“ストレスレス・トーク”。
ゆったりした椅子に座れば、飾らない言葉があふれて聞く人の心に届き、
語る人の個性と魅力がもっと輝きはじめます。

毎週月曜~木曜日の夜11時から始まるTVプログラム、
NHK BS1で放映中の「地球テレビ エル・ムンド」。
カルチャー、ファッション、トレンドを世界規模で取り上げ、
大人がリラックスして楽しめるこの番組で毎夜メインMCを務め、
日本と世界の隅々にまでその顔と実力を知られている
アンドレア・ポンピリオ氏。
同番組で火曜日のナビゲーターを務める中村孝則氏が
ストレスレスチェアのショールームに彼を招き、
「ストレスなしで人生を楽しむ極意」と、
彼ら独自の「世界の眺め方」を語り合いました。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi

Andrea Pompilio ◎アンドレア・ポンピリオ

東京生まれ。イタリア人の父と日本人の母を持つ。ローマの高校を卒業後、日本のメディアにイタリアの文化情報を配信。日本に帰国後、報道写真家として欧米のメディア向けにニュース写真を提供。イベント制作やPR業務も行い、FMラジオ番組のナビゲーターとしても活躍中。海外と日本の架け橋役を目指し日々チャレンジを続けている。趣味は旅、自転車、ワイン、料理、インテリア、写真。

 

 

中村孝則(以下N): アンディとは長い付き合いだけれど、2年前にいきなり「エル・ムンド」で司会を務めることになったのは驚きだったね。
アンドレア・ポンピリオ(以下P): FMラジオのJ-Waveでナビゲーターを務めていた番組「モダイスタ」をプロデューサーが聴いてくれていたらしく、世界のカルチャーやライフスタイルの紹介を、映像を通してやってみないかという話をいただいてこれは面白い!と思ったんだ。 NHKの報道局の管轄でBS1が「国際」をテーマに新たなスタートをきる時期でもあったからなおさら。「エル・ムンド」のスタートに向けて、制作やキャスティングの色々な意見を交換する中で、孝則にはぜひ出演してもらいたくてナビゲーターに抜擢したんだよね。人生の楽しみ方を知っている魅力的な大人の男として文句なしの最適な人選だったし、期待通りよくやってくれていて、頼もしいよ。
N: 最近ようやく慣れてきたかな。アンディはもともとジャーナリストで、そのかたわらさまざまな業界で活躍し、2万人規模のイベント制作やPR業務の仕事も手がけていたよね。僕もジャーナリストでありコラムニストで、お互いもともと表に出ない裏方だったのに、いきなりのTV出演で僕はとても大変だったし、当初はだいぶ緊張していたな(笑)。僕たちは社会的立場からいえばピンで仕事をしている一匹オオカミ。だからこそ仕事には強い責任感と使命感を持ってやりたいことをやっている。だからあまりストレスは感じないけれど、現場ごとにやりたいことをやるための意志を通す、そのためのストレスはあるかもしれないね。周りを巻きこんでいかなきゃいけないから。

エル・ムンドで共演するアンドレア・ポンピリオ氏(左)と「ミスター・スタイルノルウェー」中村孝則氏(右)。二人の話は、世界へと繋がっていく。

P: 僕は今までずっと、ひとつの業界からまた別の業界へと仕事のフィールドを変えたり増やしたりしてきたけれど、そのことでストレスを感じるより、新しい物事に取り組む新鮮な気分を味わうことが多かったね。ずっと同じことをしているより、新しい風を自分の暮らしや仕事に送りこむことでストレスに対処してきたのかもしれない。ところで、「エル・ムンド」が始まったのは2011年4月、まさに3.11の東日本大震災の直後からのスタートだったよね。価値観も激変しリアルな生き方が求められる日本の大転換期で、デザインやカルチャーで何を伝えられるのか、半年かけて準備したコンテンツもすべて再構築の必要があって、今思えばあの幕開けの時期はすごいストレスだったね。でもかえってそれが番組に真剣味を与えたのかもしれない。

N: 僕はラグジュアリー・レポートのコーナーを任されていたけれど、あの時期は豪華さや贅沢さなど語っている場合じゃなかった。だから準備していたテーマもすべて練り直し、「ものを通した本当の豊かさ」を追求することにシフトしたんだ。あの時だからこそ伝わる家族の団欒や家で過ごす時間をテーマに据えたら、ノルウェーのライフスタイルが参考になることに思い至り、薪ストーブやストレスレスチェアを紹介したんだよね。ノルウェーは冬が長く、自然環境に由来するストレスもある。だからこそ人々が創意工夫して、磨かれた感性で生みだした素晴らしいものがたくさんある。自然との共存を実践しているノルウェーのライフスタイル。それをあのタイミングで紹介できたのは、よかったんじゃないかな。
P: あの震災直後は、みんなが価値観を共有する感度が最高潮になっていて、北欧の長い冬から生まれた傑作にフォーカスしたのはすごく良かったと思う。家族を大切にするノルウェーの生活様式に触れて感動したという反応も多かったしね。「エル・ムンド」は激動の時代にスタートして良かったのかもしれない。僕自身、あの頃、震災後をどう生きるのか、海外への移住も含めて自分と家族の行く末を真剣に考えた時期だった。結局、日本に残るという判断を下し、「エル・ムンド」という使命に与えられた意味を熟考し、地に足をつけて発信する役割をとことんこなそうと決意したんだ。
N: その結果、アンディはプロデューサーの目線も持ちながら出演者の役割をこなし、番組に参加する裏方の人々にも細かな心配りをする実に懐の深いキャスターになったよね。
P: そういってくれると嬉しいな。番組はみんなで一緒につくって、一緒に楽しく万歳したいものね。「エル・ムンド」は全国だけでなく世界100カ国以上でも放送されているわけで、やるなら意味のあるプラットフォームにしたい。こちらの真意が伝わっているかどうか不安もあるけれど、あの音楽に救われた、あのインタビューに感動したという一言をもらえば本当に嬉しいし、それこそがやりがいなんだよね。孝則もそうでしょ? 夜11時、リラックスして音楽やお酒に親しみ、違う視点で世界を眺めて欲しいよね。送り手としては、今の日本を担う大人たちに、厳しい時代だからこそ広く世界に出て、次世代に自分の見たもの、聞いたもの、感じたことを伝えて欲しいと願ってるんだ。
N: アンディは喋りも独自の心地よいリズムを持っているし、カメラが何台あっても、まるで野生動物のような直感と本能で常にきちんと視聴者を見据えているからすごい(笑)。この番組のMCは天職だよね。

P: 天職かどうかはわからないけど、視聴者が「エル・ムンド」を通して世界に繋がりながら、今の日本で生きる上で、物心両面で何が必要なのか、そのヒントを見つけてもらえれば嬉しいと思う。

今後は日本を世界にアウトプットしていくことも僕らの使命だし、日本の中の「エル・ムンド」をもっと発見してきたいよね。

N: 外に出ればこそ、日本の今もよく見えてくる。世界は同時多発的な因果関係で繋がっていて、今、ベトナムの田園で起こっていることが日本の現状に大きくリンクすることもある。世界はあっという間にグローバル化して同じになってしまい、今見ておかないと消滅してしまうものに満ちている。だからこそ僕たちは世界へと大航海時代のようにこぎ出し、冒険を続け、そういった世界とのつながりを多くの人に届けたいと思う。
P: 大航海から我が家に戻ったら、こんなパーソナルチェアに深々と座ってゆったり寛ぎたいね。世界を広く見据えて日本を想い、自分の家族や人生を考える時、優れた椅子はその思考を刺激し深めてくれると思う。
N: 「エル・ムンド」のメインのセットもこの椅子にすればもっと寛いで、もっと気持ちの伝わる番組なるね、きっと(笑)。 今日はありがとう、これからも一匹オオカミ同士、刺激し合っていい仕事を、いい人生を、ストレスなしで磨いていきましょう。

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