畳や障子のある和空間に、こうして西洋の椅子が置かれていても違和感がないのは、旅館の純和室の窓辺などに、籐の安楽椅子やモダンなソファが置かれている光景を見慣れているからでしょうか。なにより私たち日本人は古来より、良きものは何でもこだわらず取り入れてきた歴史を持っているからかもしれません。フィヨルドという名の、まさにノルウェー的なリクライニングチェアが和室にもしっくり合うわけを探ってみましょう。まず、Cの文字を描く木部に天然ブナ材が使用されているため、木や土や紙など自然素材をふんだんに用いた和室と相性が良いこと。その木部の色はダークチェリーやエスプレッソ色、椅子全面をおおう天然皮革はチョコレートやバニラやグリーンなどの落ち着いた色で、和室にもフィットすること。さらにその天然皮革には吸湿性があってベタつかず、日本の気候や開放的な和風建築の家屋にもふさわしいことが挙げられます。フィヨルドのマニアーナが鎮座するこの空間は、茶の湯の趣味人、中村孝則さんの美学が息づく茶室。ここに茶聖・千利休を招いたら、眉ひとつ動かさず涼しい顔で、このしつらえに納得するに違いありません。日本とノルウェーのデザイン哲学や空間への美的感覚は、フィヨルドのように入り組みながら奥底で繋がり、斬新な出逢いの衝撃をもたらしています。 |
Fjords®Manjana フィヨルド マニアーナ
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