大自然と寄り添って暮らしながら、世界最先端の生活水準を誇るノルウェー。 日本から遥か彼方、空にオーロラが輝く、海と森のおとぎの国のイメージですが、 一度行けばとりこになる魅力あふれる国。個性の異なる3つの街を巡って、 清冽で美しい景観、歴史と文化、なにより今に暮らす人々に触れましょう。 文=山岸みすず text by Misuzu　写真=堀裕二 photograph by Yuji Hori

［ノルウェージャン・フォレスト・キャット］

ノルウェー付近で独自に進化した猫で、北欧の寒冷地に耐える豪華な毛並みを誇ります。性格は温和で甘え上手。骨格がしっかりして身体は大きく、顔はシャープでアーモンド型の目がキュート。北欧神話の女神フレイアの車を率いていた、たくましい猫でもあり、可愛さの中に、かつて雪の大地や岩場をかけていた森の猫らしい幻想的な雰囲気を漂わせています。

オスロ市立ムンク美術館と国立美術館で鑑賞できる。

オスロ一番の目抜き通り。

オスロはフィヨルドの奥にあり、海を抱いて周囲に山や森も従えた自然あふれる都市。一国の首都でありながらゆったりとし、落ち着きと刺激がマッチしたほどよいスケール感の街です。再開発地区チューブホルメンを中心に新感覚のギャラリーやレストランが次々に誕生し、個性的でトレンディな街へと変貌中。見どころはノーベル平和賞の授与式が行われるオスロ市庁舎、ムンク美術館、国立美術館、デザイン＆建築センターほか、伝統的なカフェや地元の食材が集まるファーマーズマーケットも忘れずに。かつては荒涼として「虎の都市」と呼ばれたオスロは、今ではクールなジェットセッターが愛する魅惑の都市になりました。

トロムソは、オーロラ観光の入口。

ユネスコ世界遺産のブリッゲン建築。

12～13世紀にはノルウェーの首都であり、17世紀までハンザ同盟に加盟して国際貿易で栄えた古い歴史を持つ街。港に面したブリッゲン地区は1979年に世界文化遺産に登録されました。この地区にはハンザ商人の商館だった木造の家が立ち並び、火災で焼け落ちても復元と修復を繰り返して今の姿になりました。今、その館はレストランやアーティストの仕事場として使われ、そぞろ歩いて工房を訪ねる楽しみもあります。著名な作曲家グリークの優雅な住居跡のエドヴァルド・グリーク博物館も必見。ベルゲンとオスロを約7時間で結ぶベルゲン急行は、森と湖、氷河とフィヨルドの景勝地を駆け抜ける世界屈指の路線です。

色鮮やかなベルゲンは、フィヨルドの玄関口。

ノルウェー第二の都市を支えるベルゲン駅。

港にある旧魚市場。

レストランやアーティストのアトリエ。

北海で穫れる魚の干物。

取材協力◎キャットカフェ「RIEN」

今号の表紙と特集ページに登場してくれた猫の撮影でご協力いただいたのは、

東京・世田谷区等々力にあるノルウェージャン・フォレスト・キャット専門のキャットカフェRIEN。

この猫を熟知して愛し、大切に育てているオーナー女性が何匹もの可愛い猫たちと迎えてくれます。

営業時間は土・日・祝日の12時～18時。

完全予約制で2日前までにWEBサイトからご予約を。東京都世田谷区等々力7-10-17

http://www.rien222.com/