StyleNorwayWebMagazine 【スタイルノルウェー】

 

[JØTUL/ヨツール] http://jotul.co.jp

洗練されたインテリアの中心に据えられているのは、
女性デザイナー、アンナ・オーレンがデザインした薪ストーブの名品。
ここはノルウェー? いいえ、家族が仲良く暮らし、
友人も集って楽しむ都内の邸宅の居間空間です。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi 写真=堀裕二 photograph by Yuji Hori

JØTUL F 373 ヨツール F 373

“楽しみながら暖がとれる”というコンセプトの薪ストープで、
大きなガラス窓から見える炎に癒される。
丸みを帯びた三角形のフォルムと
簡単な操作性が人気をよんでいる。
SIZE : W44 H115 D45cm 重量 : 156kg
暖房面積 : 90㎡(55畳)
577,500円(施工費別)

 

取材協力◎ファイヤーワールド(株)永和 Tel : 03-3616-2871

 

閑静な住宅街の個人宅に、この広々としたリビング&ダイニングルームがあります。中心に据えられたのはヨツールの薪ストーブ。部屋に入ると視線は自然に、赤々と揺らめく炎に向けられます。しばらくすると身体も心もぽかぽかとし、ふわりと幸福感に包まれます。しっかりした暖かさなのに人の肌に優しく、ほのかな薪の香りも漂って、ここは楽園のよう。この家はご夫婦と小学生のお嬢さんの3人暮らし。2010年に家を新築すると同時にヨツールの薪ストーブを設置し、ここを中心にインテリアを吟味して整えたそうです。「このストーブを選んだのは、縦長のガラス窓を通して炎がオーロラのように、とてもきれいに見えるデザインだからです。週末、ビールを飲みながら心ゆくまで炎を眺めたい。その願いが叶い、炎の傍らでお酒を楽しみ、ただ炎を見ることで心から深く癒されています。薪ストーブは思っていた以上に暖かく、主暖房として活躍してくれています」とご主人の弁。時には自らダッチオーブンで鶏を丸焼きにし、熱々のピザもふるまいます。 ヨツール F 373はノルウェー本国で最も人気のある製品。“時代を超越したデザインで、楽しみながら暖をとれる”というコンセプトを持つインテリア性も高いモデルです。デザイナーのアンナ・オーレン氏は、「私はストーブの設計図を描くとき、世界中の多くの人がヨツール社のストーブを通して暖かさと団欒にみちた空間を楽しんでいることを思い描き、デザインしているのです」と語っています。彼女が手がけるこのモデルは世界的に名高いデザイン賞、reddotの中でも特に優れたデザインに贈られるbest of the bestを受賞。このモデルを皮切りに、その後のヨツール F 473やヨツール F 162/163もreddot賞を受賞するという快挙を成し遂げています。もちろんデザインだけでなく暖かさの実力と高い安全性を備え、コンパクトで日本の家にも似合い、どんな室内調度にもふさわしいスマートな姿をしています。木をふんだんに使った心地よく趣味のよい家で、薪ストーブは炎の踊りを見せながら、一家の日々を暖かく見守っているようでした。