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[JØTUL/ヨツール] http://jotul.co.jp

被災地に建てられる集会所「みんなの家」が陸前高田市に完成し、
ヨツールの薪ストーブが設置され、集う人々の心身をあたためています。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi 写真=堀裕二 photograph by Yuji Hori

 

震災直後の陸前高田市

 

あの日から2年。世界を驚かせ、日本に深い傷跡を残し、私たちの意識を根底から変えるほどの大災害となった2011年3月の東日本大震災。復興は遅々としながらも進み、朗報も届いています。昨年11月に岩手県陸前高田市に「みんなの家」が完成し、被災した近隣の人々が集う場が誕生しました。「みんなの家」とは、震災で家を失った人々が集って語りあい、心の安らぎを得ることのできる共同の建物で、基本的に民間企業からの寄付金で建設資金がまかなわれるプロジェクト。被災地に今後もいくつか建設される予定です。陸前高田の「みんなの家」は木造2階建て、津波の塩害で立ち枯れした杉19本が外柱に使われたユニークな外観の家です。1階にはヨツール社のストーブが設置され、集う人の身心も暖めています。ストーブ本体と煙突は、「日本暖炉薪ストーブ マイスターグループ」から依頼があり、ノルウェーのヨツール社とヨツールの日本総輸入元の株式会社トコナメエプコスが提供したもの。ストーブの設置施工をした山形市のぜいたく屋の鷹觜社長に現地での様子をお聞きしました。「にょきにょきと木が出ていて、それは面白い建物ですよ。内部は狭いので縦型のヨツール F 162がいいんですね。集った人がベンチに座って火が燃えるのを見える位置に設置しています。近隣の方が管理して下さっていますが、シンプルで扱いやすく重宝されています。ヨツールのストーブはとにかく丈夫ですから、ずっと愛用されるでしょう」。「みんなの家」は建築家の伊東豊雄さんを中心としたプロジェクトで、陸前高田の家は昨年のベネチア・ビエンナーレ国際建築展で設計過程が紹介され、最優秀賞の金獅子賞に選ばれる快挙も成し遂げました。1月26日には宮城県東松島市に「こどものみんなの家」が完成し、ここにも同じ経緯でヨツールのF 162が設置されました。このストーブが「みんなの家」を末永くあたため、しなやかで力強い炎が、人々の胸に希望や活力を湧きあがらせることを祈らずにいられません。


「ベッドルームしかない家に共同のリビングルームをつくるような試み」という「みんなの家」プロジェクト。岩手県陸前高田市に完成した「みんなの家」は木造2階建てで建築面積は約30㎡。建築家の伊東豊雄氏を始めとする5人の共同設計。薪ストーブの暖かさがみんなを優しく包み込む。


JØTUL F 162  ヨツール F 162
SIZE : W45 H90 D45cm 重量 : 115kg
暖房面積 : 84㎡(51畳) ¥336,000(施工費別)