StyleNorwayWebMagazine 【スタイルノルウェー】

 

ベルゲンに、レインウエアのみに特化したブランドがあり、知る人ぞ知る究極の逸品として話題です。
ストイックにして豊穣なモノづくりの裏には、日本の高度な素材開発の技術と感性がありました。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi 写真=堀裕二 photograph by Yuji Hori

 

オスロに次ぐノルウェー第2の都市ベルゲンは、3日に2日は雨、傘の自動販売機があるというほど降水量の多い港町。この雨の街で育ったデザイナー、アレクサンダー・ヘル氏(写真右)がある時、からりと晴れたミラノ滞在中にひらめいたのが、レインウエアに特化したファッションレーベルでした。誕生から数年経ち、現在は毎シーズン数種のレインウエアをフィレンツェのピッティやパリのトラノイなどモードの最前線の展示会で発表しています。アーカイブも含め、すべてにスタイリッシュなデザインと確かなテーラーリング、防水と通気性と着心地を追求して妥協しない機能を併せ持つ、究極のウエアです。強力な撥水加工が施された素材は日本製の高品質リサイクルポリエステル、裏地は上質なサテン、フードにはオーガニックコットンが使われ、縫目はシールされて浸水防止。 細部までうならせる作りは、ビスポークテーラーでもあるロンドンベースのガーナ人デザイナー、Tマイケル氏(写真左)が協力しているから。グラフィックデザイナーと写真家をも取り込んでブランドを表現するスタイルも斬新でサイトもクールです。彼らの作品と才能は、ノルウェーのデザイン評議会やヴォーグ・イタリア誌によるアワードを受賞。ヨーロッパのテーラーリングと日本の先端素材が出会い、ノルウェーの天候が誕生させたこのブランドの魅力を端的に伝えているのが、「僕らのレインコートをジェームス・ボンドがタキシードの上に羽織って疾走する、それが究極の夢。ボンド史上、最高にクールなシーンになると思う」というマイケル氏の言葉。オスロとベルゲンに旗艦店があり、オンラインでも入手可。ノルウェーに買いに行きたいほど、今最も着たい服のひとつです。

Norwegian Rain Double Breasted Raincoat
ttノルウェージャンレイン ダブル・ブレステッド・レインコート
晴れた日に着てもクールなレインコート。首回りの裏地にカシミアが使われているなど、
心憎いテクニックがあちらこちらに施されている。サイズはXSからXLまで。€1,049.00
オンラインショップで購入可能。 http://www.norwegianrainshop.com

SHOP

◎Oslo(オスロ)

T Michael & Norwegian Rain

Kirkegaten 20 / Gamle Posthallen
TEL+47 9960 3411
月曜日から金曜日 12:00〜18:00
土曜日 12:00〜17:00

◎Bergen(ベルゲン)

T Michael

Skostredet 9a TEL+47 452 34 336
月曜日から水曜日 11:00〜17:00 木曜日 10:00〜19:00
金曜日 11:00〜18:00 土曜日 11:00〜16:00

 

ノルウェーの大自然の世界観を、そのまま絵本にした『KUBBE(キュッパ)』シリーズ。
その絵本から飛び出したキャラクター「キュッパ」が、
ショートムービーの中で、可愛い動きを披露しています。

文=中村孝則 text by Takanori Nakamura

昨年4月に発刊された『キュッパのはくぶつかん』(オーシル・カンスタ・ヨンセン作/福音館書店刊)については、以前に小誌でもご紹介しました。その絵本の内容は、丸太をモティフにした男の子キュッパがモノを集めて、子どもらしい視点でモノを整理し、博物館を開くというもの。先ごろ、その絵本の世界観そのままのショートムービーが作られましたが、YouTubeで配信されてからというもの、そのキャラクターの可愛さが噂になり、アクセス数も急上昇。世界中にファンを増やしつつあります。モノが大好きで、目につくきれいなモノ、面白いモノ、不思議なモノに好奇心いっぱいのキュッパ。絵本は、誰にでも思い当たる子どものころの経験を、表情豊かな筆致で描き、ムービ—では、さらに可愛らしい動きが加わりました。今春には新しいショートムービーも配信される予定。小誌では、ノルウェーを代表するキャラクターとして、継続的に登場してもらう予定です。

約3分間のショートムービーは、愛らしい動きで、自然と暮らす豊かな世界観を伝えてくれます。
ホームページからご覧ください。 http://kubbe.jp