中村孝則 Takanori Nakamura |
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日本人ばなれした伸びやかな肢体は、爪の先の数ミリまで感受性が研ぎすまされている。繊細でたおやかな表現を折り重ねながらも、湧き上がるようなエネルギーで、オペラ・ハウスの会場全体を包みこむ。バレエに精通していない人であっても、西野麻衣子さんの踊りを一目見れば、魅せられてしまうのではないだろうか。先ごろオスロではじめて西野さんの舞踏を拝見して、すっかりファンになってしまった。西野麻衣子さんは、大阪生まれの日本人。現在は、ノルウェー国立バレエ団のプリンシパル、いわゆるファースト・ソリストである。活動の本拠地は、オスロのオペラ・ハウスだ。バレエは、6歳から地元大阪のバレエスクールで学ぶ。1995年にイギリス・ロイヤルバレエスクールに留学。1999年には、ノルウェー国立バレエ団に入団をする。2005年、25歳という若さで東洋人として初めて同バレエ団のトップ「プリンシパル」に抜擢されると、頭角を現すようになる。古典からモダンまで、その幅広い表現力が認められて、同年5月にはノルウェーで芸術活動に貢献した人に贈られる「評論文化賞」までも受賞した。今や、ノルウェー人で彼女を知らない人は、芸術という存在を知らない人くらい、いない。とりわけ地元オスロっ子にとっては自慢のプリマでもある。
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◎西野麻衣子(にしのまいこ) 6歳から大阪の橋本幸代バレエスクールで学ぶ。 1995年 イギリス・ロイヤルバレエスクールに留学。 1998年 ロイヤルバレエスクール卒業公演で 「ジゼル」2幕のパ・ド・ドゥを踊る。 1999年 ノルウェー国立バレエ団に入団。 2005年 同バレエ団ファースト・ソリスト(プリマ)になる。 主役デビューの「白鳥の湖」全幕でオデット・オディールを 演じわけ高く評価され「評論文化賞」を受賞する。 以後バレエ団のレパートリー全てに主演。 2008年 新しく建てなおされたノルウェー国立バレエ団のグランドオープンでは ジリ・キリアン作品「WORLD Beyond」のメインキャストを踊る。 現在、同バレエ団の永久契約ダンサーとして精力的に活動中である。 |