Hunはノルウェー語で彼女のこと、Hanは彼のことです。それぞれに動詞のheterを続け名前をつければ「彼女または彼の名は〜」という意味になります。ノルウェー人は年齢に関係なく、家族でも親しみを込めてHun/Hanを使うのです。そして、このコーナーではノルウェーを代表するアウトドアブランド、HELLY HANSENが似合うフィールドで活躍するHunやHanたちにご登場いただき、その人物像とフィールドワークを伺います。

文=山岸みすず text by Misuzu Yamagishi　写真=堀裕二 photograph by Yuji Hori

ファッションモデルとして雑誌、ショー、CMなどで幅広く活躍。
2010年からボディメイクトレーナーとしての活動も開始し、
モデルとフィットネストレーナー双方の観点から、
時代に左右されない健康美を追求。
”feel good about yourself” をモットーに日々活動中。
全米エクササイズ＆スポーツトレーナー協会認定
パーソナルフィットネストレーナーの資格を持つ。
最近は、米国政府機関にも採用されている戦闘術で、
世界で最も優れた護身術といわれるクラヴマガに興味を持っている。
株式会社イプシロン所属。
オフィシャルブログ ： http://ipsilon-japan.com/rumi_ib/

自分の身体は究極の自然。それを美しく見せる確かな技術をもって、
内側からきれいなボディを創造するミューズ。
彼女の語る「着て魅せる」身体とファッションの関係とは。

子供の頃はひ弱だったという佐々木ルミさんは、中学時代にバレーボールに目覚め、高校までの6年間はコートでボールを追い、狙い、打つ、という日々に明け暮れていました。オリンピックも目指せるほど才能を開花させたものの、お年頃の女の子としては何かと規制の多いスポーツの世界に満足できず、背の高さも活かしてモデルになろうと決心。「高校時代、同級生に、ルミちゃん背が高いからモデルになれば？と無邪気に言われ、なんとなくファッション誌を見てモデルっていいかも、と思ったのがきっかけでした」。それからモデルスクールでウォーキングを学び、ロンドン、ニューヨークでも活躍と、何気ない言葉で始まったモデル業で大躍進。モデルの仕事をすると同時にスポーツクラブでプロのトレーナーになるための努力も続け、身体の構造から運動生理学、機能学や栄養学を学んでトレーナーの資格を取得。現在は双方の仕事の相乗効果を上げながら活動の幅を広げ、複数のスポーツクラブで多くの人々を指導しています。トレーナーとして心がけていることは、「クライアント各人の要望をよく聞いて目的を設定し、結果を出して喜んでいただく、それが私の喜びにもなります。大切なのはコミュニケーション。最初はダイエットのためと言っても、実は別の目的がある場合もあります。言葉にしないことを察し、その人の状況や身体を観察してプログラムを作成し、指導します。結果も大事ですがトレーニングするプロセスも楽しんでくだされば本望です」。また、箱根町観光協会主催のノルディックウォークイベントではミューズに抜擢され、身体の負担を軽減し高い運動効果を得られるこのエクササイズの魅力を伝えています。「箱根の桃源台から野鳥の森を回るイベントで初めて多くの人と歩きましたが、森林浴の効果もあり、自然の中で心身共に健康にしてくれる魅力的なスポーツです。笑顔で歩くと全身の筋肉もよく動きますから、ぜひ笑顔で歩いてくださいね」。ルミさんのファッション観は、「高校時代のバレーのユニフォームであれ、着るもので自分を表現することは好きでした。モデルの仕事を通して多様な価値観を知り、美しいもの、上質なもの、エッジの効いたもの…を肌に触れて感じられたのは幸運でした。“着て魅せる”モデルの仕事は大好きです。トレーナーの仕事ではクラブごとにユニフォームがありますが私は必ず手を加えてリメイクします。Tシャツの丸首をカットしてVネックにしたり、裾を切って結んだり、長いパンツを膝までまくったり。自分らしさがないとつまりません。究極のおしゃれはボディメイク。好きな服に身を包んでいる時って気分がよくて、いい女を気取ったり、カッコいい女風に振舞ってみたり、心が弾む高揚感がありますよね。その基本が身体です。自分の身体に責任を持ってメンテナンスしていれば自信が生まれ、どんな服を着てもステキに見えます」。自分の体は究極の自然。それを美しく見せる確かな知識と技術をもって、心を尽くして指導してくれるこんな先生に出会えれば、人生が明るく前向きに、外見も麗しくなれること違いなしです。